子宮鏡検査とは?
生殖医療専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(子宮鏡)による子宮鏡検査・日帰り子宮鏡手術
当院では細径子宮鏡(3.1mm)を用いた子宮鏡検査を行っています。 他院で感染症検査がお済みの方は、月経開始7~12日目であれば初診当日の検査も可能です。
子宮鏡検査とは、⼦宮の中に細いカメラ(子宮鏡)を挿入し、⼦宮内腔を直接観察する検査です。
経腟超音波検査では確認が難しい病変を詳しく評価することができ、以下のような疾患の診断に有用です。
・中隔子宮
・子宮内腔癒着 など
当院では先端部外径3.1mmのOLYMPUS社製の子宮鏡を使用しております。非常に細いカメラのため、多くの患者さまが麻酔なしで検査を受けられています。

検査時間
検査時間は5~10分程度です
検査後は感染予防のため抗菌薬を処方いたします。
検査に適した時期
子宮内膜が薄く観察しやすい、月経終了後から排卵前までの時期が最適です。
月経開始から7~12日目頃を目安にご来院ください
検査前に必要なこと
子宮鏡検査を行う前にはクラミジアなどの感染症検査が必要です。
当院で初めて検査を受ける方
まずは「子宮鏡初診」でご予約ください。 診察後に検査日を決定いたします。
他院で感染症検査がお済の方
感染症検査結果をご持参いただき、月経開始から7~12日目に初診予約をお取りいただければ、初診当日に子宮鏡検査を 行うことが可能です。
特に不妊治療中の方にとっては、検査までの待機時間を短縮できるメリットがあります。
検査を受ける際の注意点
・検査を行う⽉経周期は避妊をお願いいたします。
・手術は初診当日には行えません。
・子宮内膜ポリープを認めた場合には、悪性病変を否定するため子宮内膜細胞診検査を追加で行うことがあります。
費用
| 保険診療 | 約3,000円 |
|---|---|
| 自費診療 | 約11,000円(税込) |
※診察料や追加検査費用が別途必要となる場合があります。
このような方におすすめです
・他院や健康診断で子宮内膜ポリープを指摘された方
・不正出血が続いている方
・月経異常の原因を調べたい方
・不妊治療中で子宮内環境を詳しく調べたい方
・反復着床不全や流産を経験された方
・子宮鏡手術が必要か相談したい方
当院の子宮鏡検査の特徴
✓細径(3.1㎜)の子宮鏡を使用
✓多くの方が麻酔なしで検査可能
✓検査時間は5~10分程度
✓月経開始7~12日目であれば初診当日の検査にも対応
✓子宮鏡検査から日帰り子宮鏡手術まで一貫して対応
他院や健康診断で異常を指摘された方、不妊治療がなかなかうまくいかない方はお気軽にご相談ください。
子宮鏡検査によって子宮内の状態を正確に評価し、一人ひとりに適した治療方針をご提案いたします。
子宮内膜ポリープとは?
症状・不妊症との関係・手術について生殖医療専門医が解説
子宮内膜ポリープは、子宮の内側を覆う「子宮内膜」に発生する限局性の隆起性病変です。 多くは良性ですが、まれに子宮体がんや前がん病変が含まれることがあり、特に閉経後に発見されたポリープでは注意が必要です。
ポリープには茎のある「有茎性ポリープ」と茎の幅が広い「広基性ポリープ」があります。
大きさは数㎜程度の小さなものから2㎝を超えるものまで様々で、1個だけの場合もあれば複数発生する場合もあります。発生には女性ホルモン(エストロゲン)が関与すると考えられており、加齢、高血圧、肥満、糖尿病、タモキシフェン(乳がん治療薬)の使用などがリスク因子として知られています。
小さなポリープは自然に消失することもありますが、1㎝以上のポリープでは自然退縮はあまり期待できません。
不正出血などの症状がある方、不妊症との関連が疑われる方、悪性の可能性が否定できない方では治療を検討します。
子宮内膜ポリープの症状
子宮内膜ポリープには、以下のような症状が出ることがあります。
・不正出血
・排卵期出血(月経終了後1週間前後の少量出血)
・月経量が多い(過多月経)
・月経期間が長い(過長月経)
・貧血(めまい、立ちくらみ、頭痛など)
一方で、まったく症状がなく、健康診断や不妊検査で偶然発見されることも少なくありません。
子宮内膜ポリープと不妊症
子宮内膜ポリープがあっても必ず不妊症になるわけではありません。しかし原因不明不妊症の女性の16%~27%程度に子宮内膜ポリープが認められると報告されており、不妊症との関連が指摘されています。
ポリープが妊娠に影響する仕組みについては完全に解明はされていませんが、以下のような機序が考えられています。
・ポリープが受精卵の着床を物理的に妨げる
・子宮内膜に慢性的な炎症を引き起こす
・子宮内膜の血流やホルモン環境に影響を与える
・着床に重要なHOXA10やGlycodelinなどの分子発現を低下させる
また近年では、反復着床不全の原因の一つである慢性子宮内膜炎との関連も注目されています。子宮内膜ポリープを有する患者さまでは慢性子宮内膜炎を合併する頻度が高いことが報告されており、ポリープは単なる「できもの」ではなく、子宮内環境の異常を示すサインである可能性も考えられています。
ポリープを切除すると妊娠率は上がるの?
不妊症患者さまを対象とした研究では、子宮鏡下にポリープ切除することで妊娠率が改善することが報告されています。Perez-Medinaらが行ったランダム化比較試験では、人工授精前に子宮内膜ポリープを切除した群は、切除しなかった群と比較して有意に高い妊娠率を示しました。また複数の研究では、子宮鏡下ポリープ切除後の妊娠率は40~70%程度と報告されており、特に原因不明不妊症の方や人工授精を予定している方では手術によるメリットが期待できます。一方で、体外受精を予定している患者さまにおいて、小さなポリープをすべて切除すべきかについては現在も議論があります。そのため、ポリープの大きさや位置、年齢、不妊期間、治療内容を総合的に考慮して治療方針を決定することが重要です。 当院では近隣のART施設から子宮内膜ポリープ切除目的でご紹介いただくことも多く、不妊治療中の患者さまの診療に積極的に取り組んでいます。

子宮内膜ポリープの検査
- 経腟超音波
子宮内膜ポリープを疑う際に最初に行う検査です。
ただし月経周期によってはポリープの確認が難しいこともあります。 - 子宮鏡検査
細いカメラを用いて子宮内を直接観察する検査です。
ポリープの大きさや数、発生部位を正確に評価することができ、診断に最も有用な検査です。 - 病理学検査
摘出した組織を顕微鏡で調べる検査です。
最終的な判断や悪性病変の有無を確認するために行います。
子宮内膜ポリープの治療
子宮内膜ポリープの根本的な治療は手術による切除です。
以前は子宮内膜掻爬(そうは)術が行われていましたが、病変を直接確認しながら行う手術ではないため、ポリープが残存する可能性があります。
一方、子宮鏡下手術ではカメラで病変を直接確認しながら切除できるため、より確実な治療が可能です。そのため現在では子宮鏡下子宮内膜ポリープ切除術が標準的な治療となっています。
子宮内膜ポリープは取った方が良いの?
患者さまから最も多くいただく質問です。
当院では以下のような方に手術をおすすめしています。
・不正出血や過多月経などの症状がある方
・不妊治療を行っているがなかなか妊娠に至らない方
・人工授精を予定している方
・妊活を開始予定で35歳以上の方
・閉経後にポリープを指摘された方
・悪性病変の可能性を否定できない方
妊娠率は35歳頃から徐々に低下すると考えられているため、妊娠を希望される方では適切な時期に診断・治療を行うことが重要です。
ただし、すべてのポリープが手術の対象となるわけではありません。ポリープの大きさや位置、症状の有無、年齢、妊娠希望の有無などを総合的に判断して治療方針を決定します。
当院の日帰り子宮鏡手術
当院では入院を必要としない日帰り子宮鏡手術を行っています。
大学病院や総合病院では検査や手術まで数か月落ちいただくこともありますが、当院ではできる限り早期の検査・治療を心がけています。
他院や健康診断で子宮内膜ポリープを指摘された方、不妊治療がなかなかうまくいかない方は、お気軽にご相談ください。
生殖医療専門医・日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(子宮鏡)が診察から検査、日帰り手術まで一貫して対応いたします。
「子宮内膜ポリープは取った方が良いのか?」「不妊治療に影響するのか?」とお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
慢性子宮内膜炎
慢性子宮内膜炎とは、子宮の内側にある「子宮内膜」に慢性的な炎症が起こっている状態です。
近年、体外受精で良好な胚を複数回移植しても妊娠に至らない「反復着床不全」や、流産を繰り返す「不育症・習慣流産」との関連が注目されています。実際に、これらの患者さんの約40~60%に慢性子宮内膜炎が認められるとの報告があります。
原因としては、子宮内の細菌感染が関与していると考えられており、一部ではマイコプラズマやウレアプラズマなどの微生物との関連も指摘されています。ただし、慢性子宮内膜炎があるからといって必ず妊娠しにくくなるわけではなく、その意義については現在も研究が続けられています。
慢性⼦宮内膜炎の検査・診断
慢性子宮内膜炎の検査・診断
当院では、慢性子宮内膜炎の診断のために以下の検査を行っています。
- 子宮鏡検査
- 子宮内膜組織採取によるCD138免疫染色検査
- 子宮頸管のマイコプラズマ・ウレアプラズマ検査
これら3つの検査結果を総合的に評価し、必要に応じて抗菌薬の選択を行います。
検査時期について
検査は原則月経終了後から排卵前まで(月経開始9~12日目頃)に行います。
検査を行う周期は避妊をお願いいたします。
ご予約について
子宮鏡検査の前には、クラミジアなどの感染症検査が必要です。
まずは「子宮鏡初診」でご予約ください。
なお、他院で感染症検査を受けている方は、検査結果をご持参いただくことで、月経開始7~12日目までに初診を受診された場合、初診当日に子宮鏡検査を行うことが可能です。
※検査結果は約3週間後にご説明いたします。
治療について
慢性子宮内膜炎と診断された場合は、検査結果に応じて抗菌薬による治療を行います。
また、子宮鏡検査で子宮内膜ポリープなどの病変を認めた場合には、必要に応じて日帰り子宮鏡手術をご提案いたします。
治療後は、必要に応じて再度子宮内膜組織を採取し、炎症が改善しているかを確認します。その結果をもとに、その後の不妊治療や胚移植の方針を検討します。
費用について
- 子宮鏡検査:11,000円(税込)
- 子宮内膜組織検査(CD138免疫染色):16,000円(税込)
- マイコプラズマ・ウレアプラズマ検査:4,000円(税込)
上記のほかに診察料や処方薬(抗菌薬)などの費用がかかります。
検査から結果説明までの総額は、おおよそ35,000円(税込)です。
※治療内容や再検査の有無によって費用が変動する場合があります。
慢性子宮内膜炎に対する検査および抗菌薬治療は、健康保険適用外(自費診療)となります。
慢性子宮内膜炎は検査した方が良いですか?
慢性子宮内膜炎は、子宮内膜に慢性的な炎症が存在する状態です。近年、反復着床不全や不育症との関連が注目されており、慢性子宮内膜炎を治療することで妊娠に至る方もいらっしゃいます。一方で、慢性子宮内膜炎があるすべての方が妊娠しにくいわけではなく、その意義については現在も研究が続いています。
当院では特に以下のような方に検査をお勧めしています。
- 良好胚を複数回移植しても妊娠に至らない方
- 反復流産・不育症の方
- PGT-A正常胚の移植を予定している方
- ART保険適用回数の残りが少ない方
- 胚移植前に子宮内環境を詳しく評価したい方
「何度も良好な胚を移植しているのに結果が出ない」「できる限り着床環境を整えてから移植したい」という方は、一度ご相談ください。
子宮形態異常(中隔子宮)
中隔子宮とは?
先天性子宮形態異常とは、生まれつき子宮の形に異常がある状態です。流産、早産、胎位異常、胎児発育不全、不妊症などとの関連が報告されています。
胎児期に子宮のもととなる「ミュラー管」の発育や融合の過程で異常が生じることで発症すると考えられています。
先天性子宮形態異常にはいくつかの種類がありますが、その中でも不育症(流産を繰り返す状態)との関連が最も強いと考えられているのが中隔子宮です。
また近年では、体外受精における反復着床不全との関連も指摘されています。一般女性における中隔子宮の頻度は0.1~1.5%程度と報告されています。
中隔子宮の診断
中隔子宮の診断には以下の検査が有用です。
- 3D経腟超音波検査
- 子宮卵管造影検査
- 子宮鏡検査
- MRI検査
当院では主に3D経腟超音波検査を用いて診断を行っています。


中隔子宮の治療
中隔子宮に対する治療として、子宮鏡下中隔切除術(子宮形成術)が行われています。
手術の有効性については現在も議論がありますが、特に流産を繰り返している方では治療が検討されます。
子宮鏡手術はお腹を切らずに行う低侵襲な手術であり、術後の回復も比較的早いことが特徴です。
術後には子宮内の癒着予防や避妊目的で、ホルモン療法や子宮内避妊具(IUD)を使用する場合があります。
経過が順調であれば、通常は術後約3か月で妊娠を許可しています。また、子宮鏡手術後に妊娠した場合でも、多くは経腟分娩が可能と考えられています。
当院での対応
先天性子宮形態異常は比較的まれな疾患であり、診断には専門的な知識と経験が必要です。
私自身もこれまで多くの子宮形態異常の診療に携わってきましたが、「双角子宮」や「重複子宮」と説明を受けていた方が、詳細な検査の結果、「中隔子宮」と診断されたケースを経験しています。
中隔子宮は流産や反復着床不全との関連が指摘されており、場合によっては子宮鏡手術による治療が検討されます。一方、双角子宮は通常手術の対象とはならないため、両者を正確に見分けることが重要です。
当院では3D経腟超音波検査を用いて子宮形態を詳細に評価し、必要に応じてMRI検査や専門施設での精査をご提案しています。
特に日本医科大学付属病院と連携し、子宮鏡下中隔切除術が必要な患者様をご紹介しています。
「流産を繰り返している」「反復着床不全の原因を詳しく調べたい」「子宮の形が気になると言われたことがある」という方は、お気軽にご相談ください。
中隔子宮に対する治療として、子宮鏡下中隔切除術(子宮形成術)が行われています。
手術の有効性については現在も議論がありますが、特に流産を繰り返している方では治療が検討されます。
子宮鏡手術はお腹を切らずに行う低侵襲な手術であり、術後の痛みも比較的少なく、早期の社会復帰が可能です。
また、術後には子宮内腔の癒着予防や避妊目的で、ホルモン療法や子宮内避妊具(IUD)を使用する場合があります。
私自身、大学病院勤務時代には100例以上の中隔子宮手術を執刀してきました。手術後に妊娠・出産に至った患者様も多く経験しており、現在も子宮形態異常の診断・治療に積極的に取り組んでいます。